専用ソフトでは3Dで設計したキーアニメーションを飛行ルートに自動変換し、各機体のバッテリー残量や位置情報、LED発色をミリ秒で監視します。タイムコードをPAや映像装置と共有して音楽や花火と同期させることで、一糸乱れぬ演出を実現します。
近年は2Dロゴや文字列表現だけでなく、3Dモチーフや回転アニメーションを空中で描けるようになりました。企業ロゴを立体的に浮遊させたり、地球儀が回りながらQRコードへ変化したりする演出は、ドローンをボクセルとして扱う発想が鍵です。
LEDはミリ秒単位で色や輝度を制御できるため、フレーム数を細かく刻むと滑らかなアニメーションが可能です。SNS連携による観客参加型演出では、投稿メッセージをリアルタイムに表示したり、地上のプロジェクションマッピングと同期させたりして、一体感あふれるステージを作り出せます。
一般的な空撮ドローンは撮影機能や安定飛行を重視しますが、ショードローンは群制御と視認性を第一に設計されます。特に高輝度LED基板や大容量バッテリー、冗長化した通信モジュールを搭載し、ミリ秒単位で全機体を同期させる仕組みを持ちます。
既存ドローンを流用する場合は以下の要素を整えることが重要です。
DSJ MODEL-Xは350g級の国産ショードローンで、RGBW LEDにより1600万色を表現できます。底面に二重RTKアンテナを備え、都市部でも精度高く編隊飛行が可能です。25機を一括収納し輸送効率にも優れています。
Intel Shooting Starは330g未満の軽量設計で、4ビリオンカラーのLEDを搭載しています。1台のPCで千機以上を制御し、不調機体をリアルタイムで交換配置します。オリンピック開会式など大規模実績が豊富です。
RiFF-JPは30W級の高輝度LEDとIP55相当の防塵防水性能、多周波対応Wi-Fiを備えた多機能機体です。レーザーやスモーク、マイクロ花火モジュールを簡単に着脱でき、一日を通じた多彩な演出に対応します。
航空法では空港周辺や地上150m以上、緊急用務空域、人口集中地区での無許可飛行を禁止しています。特別警備対象施設上空も小型無人機飛行禁止法で制限されます。DIPS2.0による事前通報や許可申請が必要です。
参照元：国土交通省航空局 無人航空機の飛行禁止空域と飛行の方法（https://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000041.html）
夜間や目視外飛行、人口集中地区上空は個別申請が必須で、操縦者資格情報やリスクアセスメントを詳細に提出します。観客との離隔距離や予備着陸区域の設定など、安全対策の計画を含める必要があります。
参照元：国土交通省航空局 無人航空機に係る規制の運用における解釈について（https://www.mlit.go.jp/common/001303820.pdf）
ストーリーボードを四幕構成（導入・盛り上げ・クライマックス・余韻）に分け、60〜90秒程度で場面転換すると視認性が向上します。視野角15〜25度に収め、奥行きをLEDの輝度差で表現すると立体感が際立ちます。
専用ソフトや3Dモデリングで衝突シミュレーションを行い、水平2m・垂直1.5m以上の距離を保てているか検証します。昼間に50％機体でテストし、夜間に全機体で最終確認をすると運用リスクを抑えられます。
現場には本番48時間前に入り、離陸エリアにグリッドシートを敷設して測位精度を補正します。機体はQRコードで管理し、日没90分前までに姿勢校正や通信チェックを完了します。本番はタイムコード送出で開始し、終了後はログを3年間保管します。
